清水嵓 (1,109.2m)

【日時】　２０１０年１月３１日（日）日帰り

【メンバー】　セフコＴ・セフコＨ

【天候】　晴れ

【コースタイム】　6:00 自宅発＝（関越自動車道越後湯沢ＩＣ経由）＝7:40 土樽駅～7:55 発―8:40 763ｍ付近（10分休憩）―8:50 大岩通過―9:25 899ｍ付近（10分休憩）―10:00 983ｍ付近稜線（10分休憩））―10:50 清水嵓山頂（昼食35分）―12:30 大岩（15分休憩）―13:10 土樽駅＝（関越自動車道越後湯沢ＩＣ経由）＝16:35 自宅

（登り2時間55分・下り1時間45分　標高差506m　累積標高差604m　登り積算距離2.621㎞　車両走行距離往復242㎞）

　週間予報はずっと曇りのち雨マークだったが、ピンポイントの予報を見ると越後湯沢は晴れそうな予報。ということで選んだのが清水嵓（しみずくら）。聞いたことない山だ。これ、雑誌「新ハイキング」２月号に佐藤光雄さんという方が山行記録を紹介していたのだ。夏道はなく土樽駅から閉鎖された土樽スキー場のゲレンデを登り、あとは支尾根を詰めて稜線に出て、三角点のある稜線上のコブのような山頂である。標高1,109ｍと高くはないが山頂からの展望は抜群と書かれてあった。平標山・仙ノ倉山・万太郎山・茂倉岳・武能岳と谷川連峰の稜線が一望出来るのである。

　でもこの山、非常にきつかった。まずトレースはなし。スノーシューで登るも、もぐるもぐる。上部は非常に急坂で直登もままならない。標高差が少なかったから登頂出来たが、我々のレベルではギリギリの山だった。ただ夏道のない積雪期ならではの山を登ることが出来たのは非常に満足している。これぞ雪山の醍醐味である。また駅のホームからいきなりスノーシューをつけて歩き出すという経験も初めてだった。

AM7:55 土樽駅発・駅舎の向こうに清水嵓が見える

　朝６時、自宅発。関越自動車道越後湯沢ＩＣを降りて土樽駅へ向かう。我々の住んでいる地域はこのところの雨ですっかり雪は解けてなくなったが、さすが雪国越後湯沢は雪の壁となっていた。土樽駅には５台位駐められる駐車スペースがあるがすで４台駐まっていた。土樽スキー場へはホームに出て連絡通路を渡り下りホームに降りる。（土樽駅は無人駅）ホームの先頭からトレースがありゲレンデに出られる。まずはスノーシューをつける。ゲレンデにはワカンの跡が続いていたが、最近のものではなさそう。とりあえずそのワカンのトレースを追う。ゲレンデの中腹でトレースは終わっていた。山頂までのトレースを期待したが残念。


連絡通路を渡る	下りホームに降りる	ホームの先頭からゲレンデに出る

　このワカンのトレースは多分、「新ハイキング」で紹介していた佐藤光雄さんのトレースではないかと思う。なぜなら新ハイキングのＨＰ「新ハイ　よもやま情報」に1月22日付けで、「佐藤光雄さんから清水嵓について」と題した投稿が載っていたのである。以下、抜粋。

　本誌２月号６７ページ、紀行[清水嵓]について、筆者より最新情報が届けられました。「１７日（日）に入山したところ、大雪で、土樽駅ホームからラッセルを強いられ、ゲレンデは雪が深すぎて、歩行困難」とのことです。現地情報を確認してからお出かけください。

　この歩行困難という言葉に雪が締まるまでは登頂は難しいと思っていた。でもこのところ雨が続き大雪は降っていない。それに全国販売の雑誌に紹介されたとあれば今日あたり誰か入山してもおかしくない。だからトレースが期待出来るかも、と言った甘い考えもあって来たのだが、誰もいなかったのである。ならば自分たちでラッセルするのみ。


閉鎖された土樽スキー場のゲレンデ	振り返れば土樽山荘

　ゲレンデが終わると疎林の尾根に取り付く。傾斜は徐々にきつくなっていった。尾根に取り付いてしばらくすると大きな岩が現れた。新ハイキングの記録に載っていた大岩と呼ばれるところのようだ。記録ではこの大岩を巻くのは雪崩の危険があるので直登すべきと書かれてあった。しかしスノーシューをつけてこの大岩は登れそうにない。スノーシューを脱いでアイゼンを付ければ登れないこともないかもしれないが、ロープがほしいところであった。雪崩の危険と言われるとためらわれるが、見た感じ大丈夫そうなので我々は大岩の右側から雪の斜面をトラバースして巻くことにした。急な雪の斜面でスノーシューをつけてのトラバースは危険で、そこから尾根へ戻るのも大変でやっとのことで尾根に戻った。

　これで最大の難所を切り抜けたと思ったが、斜度は益々きつくなりラッセルは困難をきわめた。柔らかい雪の下に凍った硬い層があり、スノーシューのアイゼンも効きづらい。何度も蹴りこんで道をつける。直登出来ないところはジグザグに登る。見上げると稜線が近い。でも斜度はさらにきつくなり、最後の稜線への突き上げも手間取り、やっと稜線に出ることが出来た。時間は１０時。土樽スキー場から登らずこの稜線の末端から取り付くことも出来るようなので、稜線上にトレースを期待したがやはりなかった。


疎林の尾根に取り付く	AM8:50 大岩

　稜線上も疎林があったが、時々木が途切れると両側には大展望が広がっていた。しばらく緩やかな登りだったが、また急斜面となり登り切ったところが山頂かと思ったら、まだ先があった。ここを山頂といっていいくらいの大展望で、正面に真っ白な茂倉岳の堂々たる山容が聳えていた。その左側には荒々しい武能岳。右側には万太郎山から仙ノ倉山・平標山へ続く稜線。さらに右手側にはタカマタギ・棒立山。反対の左手側には荒沢山・足拍子岳。見下ろせば関越自動車道の土樽パーキングと関越トンネルの入口。


もうすぐ稜線	AM10:00 稜線に出る


	前方が清水嵓

左の双耳峰が足拍子岳・中央奥が七ツ小屋山・右が武能岳

荒沢山と足拍子岳


茂倉岳	仙ノ倉山

タカマタギ・棒立山

武能岳と茂倉岳

　武能岳

茂倉岳

七ツ小屋山

山頂手前のコブから見る足拍子岳


	関越自動車道の土樽パーキングと関越トンネルの入口

　ここでやめてもいいくらいの所だったが、ほんの先が山頂なので進む。若干下って緩やかな登りのあと少し急な登りで清水嵓山頂に出た。時間は１０時５０分。山頂はそれほど広くはないが少人数での休憩にはいい場所である。もちろんここも大展望である。ここで昼食。

AM10:50 清水嵓山頂


オジカ沢ノ頭	仙ノ倉山

左から武能岳・茂倉岳・オジカ沢ノ頭、谷川岳は茂倉岳に隠れているようだ

　１１時２５分、下山。スノーシューで下るも手前のコブの所で１０本爪のアイゼンに履き替える。我々が持っているＭＳＲデナリ・アセントというスノーシューは登りには非常に有効な登坂力を発揮するが、下りははっきりいって不便である。踵がフリーになるのは登りでは有効であるが下りではそれが邪魔になって下りづらい。後ろ三分の一ほどが取り外せるようになっていれば下りも楽になるような気がするのだが。今回の下りのような場合はアイゼンにワカンを一緒に装着するのが一番いいように思われる。ただスノーシューにワカンまで持ってくるとなると重装備になる。ワカンとスノーシュー・アイゼンがミックスされたようなものを開発できないものかと思う。

　アイゼンでの下山は自分たちでつけた登りのトレースがあるとはいえ、時々ずぼっともぐり足が抜けなくなる。支尾根の下りはもっと苦戦して下りなのに時間がかかり大汗をかいた。大岩を巻いた所でまたアイゼンからスノーシューに履き替えて、あとは快適にゲレンデを下った。天気は下り坂ということだったのに、山頂にいる時より晴れてきて、ゲレンデからも茂倉岳・武能岳がよく見えた。土樽駅のホームからも真っ白な茂倉岳が線路の先によく見え、絵になる光景だった。まだ１月というのに今日は春を思わせる陽気でとても暖かかった。行動中はジャケットも脱ぎ帽子・手袋もしなかったが、それでも大汗をかいた。それで久々に温泉に入ることにした。入ったのは「岩の湯」（一人４００円）。その後、関越自動車道越後湯沢ＩＣから高速に乗り、自宅着１６時３５分。


AM11:25 下山	PM0:30 大岩を巻いて下る

土樽スキー場のゲレンデを下る。奥に見える山が飯士山

　前方の道路が関越自動車道

ゲレンデから見る武能岳と茂倉岳


	土樽駅の駅舎・ホームへ下る


ＪＲ上越線の線路と奥は関越自動車道	土樽駅のホーム・ホーム手前までスノーシューで歩く

２０１０年山行記録